シリーズ「日本が危ない」⑥

日本の食が危ない

コープニュース編集主幹

田中 陽子

日本は世界有数の遺伝子組み換え作物の消費国

日本人の食生活に欠かせない味噌、醤油、納豆、豆腐などの材料となる大豆の8割は輸入に頼っている。2018年の貿易統計によれば大豆の輸入量は324万t、主な輸入先別輸入量は、アメリカ232万t(72%)、ブラジル56万t(17%)、カナダ33万t(10%)、中国3万t(1%)となっている。

大豆の需要は食用(28%)、油糧用(67%)ともに年々増加傾向にある。油糧用とは、植物油の原料で、大豆のほかにナタネ、綿実などから搾った油が「サラダ油」として販売され、加工食品の原料となってマヨネーズ、ドレッシング、マーガリン、せんべい類、スナック菓子など、私たちが毎日食べている加工食品全般に使われている。

大豆の主な供給国であるアメリカの農務省の作付面積データ(2016年)によると、アメリカの大豆の94%が遺伝子組み換えとなっている。また、輸入量第2位のブラジルでは遺伝子組み換え品種の栽培が認められており、大豆・トウモロコシでは約9割以上が遺伝子組み換え品種であるといわれている。

アメリカやブラジルの遺伝子組み換え大豆は日本で大量に消費されているのだ。

また、日本は世界一のトウモロコシの輸入国で、輸入量は年間約1,600万t、国内のコメの年間生産量の約2倍にものぼり、アメリカからの輸入が92%(2018年)を占める。その消費量の65%は飼料として消費され、牛や豚、鶏などの家畜のエサ、約20%はコーンスターチ、果糖ぶどう糖液糖、水あめ、加工でんぷんなどに加工され、さまざまな食品に使われている。(図③参照)

図③トウモロコシの用途別輸入割合

日本人は毎日のように遺伝子組み換え作物を食べていることになる。(味噌、醤油、納豆、豆腐などに加工される食用に限れば約2割が国産大豆を使用している。「遺伝子組み換えでない」の表示がなければ、遺伝子組み換え作物が使われていると考えられる)。

そもそも日本では、トウモロコシ、大豆、ナタネや綿実、ジャガイモ、テンサイ、アルファルファ、パパイアの8つの作物の遺伝子組換え品種が食品や飼料として承認され輸入されていることを知っている日本人は少ない。ほとんど報道されていないためだ。

そして、国内での遺伝子組み換え作物の栽培自体は141もの品種で認められている。しかし、国民の根強い不信感があるため種子として販売されていないこともあり、試験用に隔離された圃場で栽培されているだけで、国内で育てられている遺伝子組み換え作物は、青いバラのみだという。

ほとんどの日本人は普段、遺伝子組み換え作物を食べていることを知らない。たとえば、スーパーで納豆を手にして表示を見ると「遺伝子組み換えではない」という表示を見て安心して購入する。スナック菓子の原材料表示に「植物油」と書かれていても、そこには「遺伝子組み換え作物が原料」とは書かれていない。

ちなみにスーパーでよく見るキャノーラ油はカナダ原産のナタネ種子から搾ったもので、ナタネの92%はカナダから輸入されている。カナダで栽培されているナタネは96%が遺伝子組み換え品種である。