「明治のころに一度 還る」

田上 敏明

国を思う人々の行動と
天の助けで成就した世界の奇跡・明治維新。

日本を守るように動いた世界情勢

明治維新は、国を思う人々の行動によって成し遂げられはしましたが、そこには明らかに天佑(天の助け)が、大きく働いたからこそ、成就したと考えられるでしょう。

維新前夜の国の内外の情勢は、日本を植民地にしようと思う外国勢力、それを利用して自分の権益を守ろうとする徳川幕府と薩長連合の狭間にありました。いくら純粋に国のことを思い守ろうとしても、天佑がなかったら明治維新は内乱情勢が長く続くことになり、外国の植民地となったかもしれないのです。しかし、実際には、比較的平和のうちに明治維新は成し遂げられ、世界の奇跡として外国人を驚かせることになったのです。

幕府方についたフランスは、徳川家を今一度日本の統一をさせるため画策しましたが、薩長連合は、これに対抗してイギリスに接近を図りました。国内動乱の際に、列強諸国の野心の乗ずるところとならず維新を迎えられたことは、まさしく天佑という他はないのです。

というのは、世界の情勢がこういうことだったからです。フランスで1848年(嘉永元年)から始まった第三革命は、全ヨーロッパを動乱の中に投じたわけですが、1854年(安政元年)のクリミヤ戦争は、列強に対して他国を省みる事を出来なくさせたのです。また、プロシャの勃興により1870年(明治3年)ナポレオン三世が滅んだのです。これらのヨーロッパの動乱(普仏、プロシャオーストリア、クリミヤ戦争)によって、ヨーロッパ諸国が日本に対して触手を伸ばすことを阻まれる結果になったわけです。

また薩長連合についたイギリスも同様に動乱の渦中にあり、ロシアもクリミヤ戦争により艦隊を引き上げざるを得なかった。アメリカも1861年(文久元年)南北戦争によって日本から手を引かざるを得なくなった。このような世界情勢が日本を守り、明治維新が始まったのです。