ノンフィクション作家・河添恵子

日本は傍観者のままでいいのか?

世界は「透明性がない」大国と本気で戦っている

「国際社会の勝利」の意味

米英を中核に、情報諜報機関が連携するファイブアイズ(米国・英国・カナダ・オーストラリア・ニュージーランド)は、世界を〝赤く染める"中国共産党政府の工作に対し、この数年、警戒レベルをマックスに上げている。

その一国、オーストラリアは五月十八日から「テレビ会議」で開催されるWHO年次総会(WHA)に向けて、武漢ウイルスの起源と初動対応、パンデミックに関する「独立した調査」の必要性について早々に声を上げてきた。マリーズ・ペイン外相は、中国政府に対して、「政治的な操縦だ」とも主張していた。

WHAの初日、ペイン外相は肝いりの動議を、欧州連合(EU)と英国、カナダ、日本、ロシアに加え、アジアやアフリカ諸国など百二十二ヵ国が支持したことに歓迎の意を表し、シドニーの記者団にこう語った。

「公平で、独立的で、包括的であること。新型コロナウイルスに関する『独立した調査』の開始を求める動議草案で、我々はこの三つを強調してきた」

EUが起草する動議との内容調整も続けてきたことから、ペイン外相は「決議は、我々が開始した対話の重要な部分であり、EU加盟国とここ数週間の交渉に関わった多くの草稿者の努力に大変感謝している」と述べ、世界的な支持の高まりを、「国際社会の勝利」と表現した。

この「国際社会の勝利」が意味するものは何なのか?

私の解釈では「自由と民主」「法の下の平等」「人権」を価値とする国家、世界の代表者らが「話し合いで物事を決めることの大切さ」の勝利。そして中国のマネー工作=唯物的かつ非民主的手段の敗訴である。