ノンフィクション作家・河添恵子

武漢発・新型コロナウイルス

感染拡大は中国政府の「隠蔽」が
原因では?

新型コロナウィルスは天然か人工か?

武漢発の新型コロナウイルスについて、米国のバイオセーフティ専門家や科学者らが早々から注目したのが、中国科学院武漢病毒研究所の存在だった。同研究所には、SARSやエボラ出血熱といった危険な病原体を研究するために指定された中国で唯一の研究室「武漢P4研究室」がある。

同研究室は二〇一八年一月に正式に開設されたが、前年より英国の学術誌『ネイチャー』で、「同研究室からウイルスが"脱出"する可能性」と、杜撰な管理体制についての危惧を発表していた。

米ハーバード大学の公衆衛生学教授、エリック・ファイグルーディン博士は、「武漢市の海鮮市場がウイルスの発生源ではない」と発信し、軍事委員会のトム・コットン上院議員は「『武漢P4研究室』からウイルスが漏れた」と語った。ジョージ・ブッシュ大統領(父)が一九八九年に署名をした、生物兵器禁止条約(BWC)の国内法を起草した、イリノイ大学の法学部教授、フランシス・ボイル博士は、二月上旬からインドの英字メディア等で、「新型コロナウイルスは攻撃的な生物兵器だ」との衝撃の内容を語っている。

一方、中国政府の宣伝部と外交部は、習政権に「不都合ではない」情報だけを発信し続け、世界各国の専門家らによる「新型コロナウイルスは、武漢の病毒研究所から流出した可能性」「コロナウイルスは天然ではなく人工」との見解や推測については、「荒唐無稽で無知だ」と真っ向から否定し、「科学的根拠が全くない」と強面で主張している。

そしてウイルスの発生源については当初から、野生動物が生きたまま、あるいは殺処分された状態で「食品」や「ペット」として売られている「武漢の海鮮市場(華南海鮮卸売市場)」と報じ、コウモリを食べる人の映像が拡散された。

一方、日本では武漢の新型コロナウイルスが天然か人工か、生物兵器なのかの議論すらタブー視している。

しかも、欧米では財務大臣や経済金融関係の専門家らが、「大きな懸念は、何百万もの中国企業がキャッシュフローを持たないことから、デフォルト(債務不履行)に陥る。大惨事になるだろう」「新型コロナウイルスがパンデミック(世界的な感染爆発)になれば、世界全体のGDP(国内総生産)予測から一兆一千億ドルが消えかねない」「リーマンショックの二〇〇八年よりも悪くなると予測している」「新型肺炎の流行は、グローバル化の流れ、サプライチェーンを変える出来事」などと発表している。だが、日本はこの手の議論も報道も盛んではない。

米議会では、中国政府の武漢コロナウイルスの隠蔽に対する、責任を問う法案が超党派で提出された。日本は、東京五輪の延期も決まったのだ。経済的ダメージは計り知れない。それでも、中国に忖度し続ける政官財、そしてマスメディアの姿勢に、台湾はもちろん、世界が呆れていることに気づくべきである。

河添恵子
Kawasoe Keiko

ノンフィクション作家
株式会社ケイ・ユニバーサルプランニング 代表取締役
一般社団法人美し国 なでしこオピニオンの会 顧問

1986年より北京外国語学院、1987年より遼寧師範大学(大連)へ留学。『中国人の世界乗っ取り計画』(産経新聞出版・2010年)はAmazon〈中国〉〈社会学概論〉2部門で半年以上、1位を記録するベストセラー。近著は『米中新冷戦の正体』(共著)(ワニブックス)Amazon〈中国の地理・地域研究〉1位。ネットTV(林原チャンネル・チャンネル桜等)にレギュラー出演中。50ヵ国以上を取材。

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