シリーズ「日本が危ない」①

グローバリズムが国を滅ぼす。

中井 健

豊かで、安全で、教育水準も高いが、
若者が希望を持てない国となった日本。

国が危ないとは、精神的なもの、思想的なもの、すなわち国が大切だ、大事だと国民が思わなくなったことが大きな要因と考えられる。樹木で例えれば、目に見えない根が弱り、腐っていくと、徐々に幹、枝葉が枯れていく。気づいた時には手遅れとなっているのだ。

国が亡びる8つの段階

シリーズで「日本が危ない」を取り上げるが、今日本で起きている目に見えた現象を追求したい。第一回はグローバリズムである。ナショナリズムと対比される。グローバリズムは言葉では良いように聞こえるが、後に述べるように、日本を亡国に導く。要は、国を愛することがなく、皇統を含めて、日本をダメにするのがグローバリズムである。

倉山満氏の『保守の心得』(2014年扶桑社)には、国が亡びる段階を8つに分けている。

①民族殲滅(タスマニア)、②国家灰燼(カルタゴ、満州)、③民族奴隷化(チベット、ウイグル)、④国家解体(旧ユーゴスラビア)、⑤衛星国化(冷戦期の東欧諸国)、⑥内戦直前状態(ドイツワイマール共和国)、⑦国内代理戦争(ナポレオン戦争期のスウェーデン)、⑧ニュートラル。

1970年(昭和45年)、三島由紀夫は割腹自殺する前に、日本という国がやがて滅び、「無機的な、からっぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜目がない、ある経済的大国が極東の一角に残るのであろう」と書き残した。

倉山氏は、今の日本は、⑧のニュートラルよりさらに悪化し、⑦の国内代理戦争の段階にあると指摘している。今まさにグローバリズムの典型的な症状を呈し、深刻な状況ではあるが、今ならまだ回復に間に合う。

図1 自分の国の将来についてどう思っていますか?

日本の若者は国の将来を悲観している

日本財団が、2019年11月に実施した、18歳の意識調査「社会や国に対する意識調査」が公表されている。インド、インドネシア、韓国、ベトナム、中国、イギリス、アメリカ、ドイツ、日本の9カ国の18歳男女(各国1000人)が対象である。図1に示すように、自分の国の将来について良くなると答えたのが、日本は9.6%で最下位。1位は中国で96%、2位はインドで77%。8位のドイツでも21%。日本の若者は、日本の将来が良くなるとは思っていない。